北陸地方

【2023年宿泊記】【石川県 加賀温泉】べにや無何有 ーbeniya mukayuー

2023年2月に石川県加賀温泉(山代温泉)のべにや無何有に宿泊しました。
宿泊記として記録したいと思います。

べにや無何有 

石川県にある加賀温泉郷は山代温泉、山中温泉、片山津温泉の三つの温泉からなります。

べにや無何有は山代温泉に位置する旅館です。
山代温泉は1300年の歴史があり遠い昔から全国に名を馳せる温泉地だったようです。

べにや無何有の「無何有」とは何も無いことを意味しており、旅館として「空っぽの中の豊かさ」をコンセプトとしています。

客室は全16室のみでプライベート感があり、全ての客室が自然の山庭に面しており開放感のある造りになっています。全ての客室に温泉露天風呂が付いているのも嬉しいです。

アクセスは小松空港から車で30分、加賀温泉駅からホテルの無料シャトルバスで約15分で行くことができるため交通の便も良いです。

シャトルバスの送迎は14時30分〜18時の間、随時運行しています。(要予約)

またべにや無何有は加盟には厳格な審査が加盟を認められる、世界的権威を誇るホテルとレストランの会員組織である「ルレ・エ・シャトー」に加盟しています。

日本の加盟旅館・ホテルは下記の11の施設になります。

  1. あさば(伊豆 修善寺)
  2. 要庵 西富家(京都)
  3. 神戸北野ホテル(神戸)
  4. 強羅花壇(箱根)
  5. ジ・ウザテラス ビーチクラブヴィラズ(沖縄)
  6. 天空の森(南きりしま温泉)
  7. 扉温泉明神館(松本)
  8. 西村屋 本館(城崎温泉)
  9. 別邸仙寿庵(谷川温泉)
  10. べにや無何有(山代温泉)
  11. 忘れの里 雅叙苑(妙見温泉)

魅力的なホテルばかりでいつか他のホテルにも泊まってみたいものです。

べにや無何有 エントランス・ロビー

加賀温泉駅から送迎バスに乗り、約15分間揺られて待ちに待った旅館に到着です。

エントランスは良い意味で仰々しくなく閑静な雰囲気でした。

エントランスから中に入ると中庭の緑をダイナミックに感じることができます。
ロビーは無機質でありながら洗練された空間でうっとりするような空間でした。

ロビー(昼)
ロビー(夜)
フロント

到着してすぐウェルカムドリンクのリンゴジュースを頂きました。
甘すぎず絶妙な味わいでとても美味しかったです。

ウェルカムドリンク
中庭が見えます

ロビーのこちらの隠れた空間はショップでした。
お菓子等のお土産だけでなく、実際にお部屋に用意されている館内着の浴衣やパジャマや夕食時に使われている食器なども置いてあります。
帰宅してからも宿泊の思い出に浸ることのできる一品を購入できるのは嬉しいです。

ショップ

ロビーにはドリンクバーもあります。
滞在中はこちらのコーヒーマシーンを自由に使って好きな時間にコーヒーを飲むことができます。

ドリンクバー

べにや無何有 客室

今回宿泊した客室タイプは温泉露天風呂付き和室になります。
「深緋(こきひ)」というお部屋でした。

部屋まで屋外の廊下を歩くため少し肌寒くは感じましたが、屋根があるので傘は不要です。

お部屋はコンクリートの壁に襖が合わさり和モダンな雰囲気を放っていました。
洗練されたお部屋ですが、気持ちも落ち着くほっとするような空間でした。

露天風呂付き和室

お部屋の広さは70㎡で広く感じました。

2月の訪問でしたが、宿泊の日はちょうど暖かくて雪も溶けていたため綺麗な苔が色付いた中庭を眺めることができました。

続いてバスルームです。
バスルームには床暖房が付いており寒さを感じることがなく快適でした。

バスルーム

シャンプー、スキンケアのアメニティーは全てべにや無何有オリジナルの「薬師山アメニティー」になります。

べにやの位置する場所は薬師山と呼ばれ、昔温泉の施浴と薬草の調合等で人々を救っていた治療の場でもあったそうでその伝統を受け継いで開発された経緯があるみたいです。
山代温泉のミネラルと数多くの厳選された天然成分が多く配合されています。

実際に使用しましたが木々や緑を感じるような香りで癒されました。
こちらも旅館のショップで購入可能です。

バスルームにはタオルウォーマーがありました。
何回も温泉に浸かるのでとても嬉しかったです。

ドライヤーはパナソニックでした。

シャワールームはやや狭めでした。

シャワールーム

露天風呂はやや小さい造りでしたが、水温40〜41℃が常に保たれており、熱すぎることなく絶妙なお湯加減で最高でした。

温泉による浴槽の腐食なども見られず綺麗に保たれており、管理がしっかりされてそうな印象でした。滞在中何度も入りましたが気持ちよく過ごせました。

温泉露天風呂
トイレ

浴衣はチェックインの際にサイズを聞かれ、部屋まで二着持ってきてくれます。
二着も用意していただけるお心遣いが嬉しいです。
浴衣の植物の柄も帯の色も上品でとても可愛い浴衣でした。

浴衣

また浴衣とは別にパジャマの用意もあります。こちらはお部屋のみ着用可能です。

べにや無何有 食事処 「懐石 方林」

朝食、夕食ともに二階にある「懐石 方林」でいただきます。

夕食時間は18:00,18:30,19:00から選択できます。

コースは蟹をはじめ海鮮を思う存分堪能することができ贅沢なコースでした。
石川の海の幸の美味しさには脱帽でした…。

ひね鶏の薬膳スープ
ずわい蟹炭火焼き 甲羅焼き
香箱蟹 琥珀ゼリー
地場野菜の胡桃あん
向付 蟹洗い・クエ・鮪・甘エビ
のどぐろ炭火焼き 沢煮仕立て
新筍ご飯
能登塩ジェラート 焼き最中

コースは以上となります。
どれも美味しくて絶品でした。蟹コースを選んだわけではないのに想像していた以上に蟹を食べることができて幸せでした。


また宿泊プランにもよりますが、筆者が選択した一番スタンダードなコースは海鮮メインでお肉は含まれていませんでした。

アラカルトを頼むこともできたので、胃袋が大きい私たちはもう少しだけ食べたいと悩んだ末に能登牛山椒焼きも追加でいただきました。

能登牛 山椒焼き

翌朝の朝食も同じ会場になります。
夕食時にはきちんと見えなかった樹齢300年を超える立派な赤松の御神木を窓から望むことができます。


朝食は身体に優しいジュースから始まります。

石川で採れた食材がふんだんに使われていてどれも優しい味付けで美味しかったです。
ご飯も土鍋ご飯で甘みもあって美味でした。

朝食

べにや無何有 館内施設

館内施設は図書館、アートスペース等もありとても充実しています。

まず図書室の紹介です。図書室は三種類あります。

一つ目の図書室は「Main Library」、ロビーのバーカウンターの奥にあります。
入ってすぐ光が差し込み白を基調にしたスペースがあります。

その奥には黒を基調にした静寂なスペースがあります。

置いている書物は主に美術書などの書物が多かったです。

奥にはお茶を点てるための空間もあります。
ユニークエクスペリエンスの一つとして実際にこちらでべにや無何有の主人にお茶を点ててもらうこともできるようです。

次に二つ目の図書室です。こちらは「Forest Library」と言って主に樹木や野草、苔などにフォーカスした図書室です。窓から木々たちを見ることができ落ち着く空間でした。

また図書室内にはフリードリンクコーナーもあります。
中には自分で好きな味を選べるミックスハーブティーが美味でした。

次に三つ目の図書室「Library ZERO」です。
こちらは4階にあり同フロアにはLibraryとアートスペースが備えられています。

日本を代表する現代アーティスト宮島達男さんとべにや無何有設計者の竹山聖さんの美術品「ゼロの転位」を観賞することができます。
旅館の中とは思えない空間です。


奥の方へ行くとZERO、無、空などをテーマにした書籍が並んだLibraryがあります。

Library ZERO

またロビー横から階段を降りると大浴場「こもれびの湯」があります。

男女それぞれ内湯、露天風呂、サウナが備えられています。
各部屋に温泉露天風呂が付いていますが、部屋によってはサイズが小さいので広々と大きな浴槽に浸かりたい方は大浴場に行くのがおすすめです。
脱衣所はやや狭く感じました。

二階食事処の横手前の円庭には大きな丸い池があり、原研哉によるアート作品が備えられています。面白い仕組みになっておりいつまでも眺められます。

筆者は体験はしていませんが、円庭の奥には薬師山の僧侶が温泉と薬草を用いて人々を癒していたという歴史に発想を得たスパ「円庭施術院」があり、「薬師山トリートメント」を受けることができます。

感想

べにや無何有はどこを切り取っても洗練された雰囲気で心身ともに癒されました。
お部屋も素晴らしかったですが、何よりお部屋から綺麗な庭園を眺められるのとても良かったです。

普段旅館に宿泊するときはお部屋でゆっくり寛ぐことが多いですが、館内にコンセプトの違う複数のLibraryがあったり、美術品を楽しめる空間もあり見所も多く充実感がありました。

お食事も石川の食材を沢山使ったものばかりでどれも美味しかったです。
スタッフの方々の対応も良く、気持ちの良い滞在になりました。

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Sunny
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